近年では、スマートフォンの普及により、日常生活においてSNSは不可欠となりました。わからないことがあったり、興味があるものがあったりしたとき、すぐインターネットを利用して調べるようになりと、インターネットは「人類総メディア時代」をもたらしました。SNSを使う機会が増えた現在、私たちは今一度SNSやインターネットとの関わり方を考えていく必要があります。
みなさんは、ネット炎上という言葉をご存知でしょうか?総務省によると、「ウェブ上の特定の対象に対して批判が殺到し、収まりがつかなさそうな状態」「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる」状態、とされています。この炎上件数は、コロナ禍で3.4倍にも増えたそうです。炎上は著名人や企業だけの問題ではなく、一般人の私たちにも関わる身近な問題です。
ネット炎上によって誹謗中傷を受けた人は、どんなに多くの肯定的なコメントをもらっても、一部の人による誹謗中傷によって深く傷ついたと言います。こうしたネット炎上に加担しないためには、私たちはどのような意識やリテラシーを持ち合わせていなければいけないのでしょうか。
まず、「自分が正しく、相手が悪い」と思った時ほど、頭を冷やし、冷静になることが大切です。冷静に物事を見られなくなり、感情的に攻撃的な言葉を送ってしまうのではなく、一度落ち着いて物事を見つめ直すことが求められます。
次に、相手に「許せない」、「失望した」などの正義感を覚えたときには注意する必要があります。強い感情に動かされ、自分の意見が絶対に正しい、相手が間違っているに違いないと思い込んでいる時は、相手の立場や気持ちが考えられなくなっている証拠です。
最後に、他者を尊重する気持ちを忘れず、自分が言われたり、されて嫌なことは発信しないことです。これは前述のこと全てに通じますが、何事にも否定から入るのではなく、他者を尊重しながら自分の意見を適切に発信することが重要です。
ネット炎上で頻発する誹謗中傷を完全に無くすことは難しいかもしれませんが、普段インターネットを利用する1人として、インターネットの向こうには同じ人間がいるということを忘れずにSNSと関わっていくことが今わたしたちにできることだと思います。インターネットやSNSは気軽に利用できる楽しいものですが、そこに伴う危険性も理解しておくことが大切です。