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2023.01.21

学生スタッフブログ(『世界の見方は多種多様』byはるさめスープ)

唐突ですが、「お湯」を英語にしてくださいと言われたら、皆さんはどのように訳すでしょうか?

多くの人が”hot water”と答えたのではないでしょうか。ここで、あれ?と思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、英語には「お湯」を直接的に表す単体の言葉はありません。
私たち日本人からすれば、確かに水をあたためればお湯になりますが、お湯は「お湯」であり、あたたかい「水」ではありません。反対に英語話者からすればお湯は単なるあたたかい「水」なのです。似たようなものに蛾と蝶があります。日本語ではこの二つは区別されており、私たちの感覚としても別物だと感じる人が多いだろうと思います。しかし、フランス語においてはそうではありません。フランス語で蛾は”papillon”、蝶もまた”papillon”であり、二つは区別されていません。
このような言葉の違いからは私たちそれぞれの世界の見方が見えてきます。日本語話者からすればお湯と水・蝶と蛾の差は区別されるべきものですが、英語話者やフランス語話者からすればきっとその二つの間の差異は特に重要なものではないのです。私たちは同じ世界を生きていますが、見えている世界というのはそれぞれ異なっているのです。

当たり前でたった一つだと思っている世界の見方が、実は一つどころか人の数・文化の数だけ存在しているということ。このことを受け止めることが、多様な文化を持つ人々と共に生きるうえで大切なのではないかと思います。