2024.11.08
長年教育現場で問題とされている「教員の長時間労働」について考えてみたいと思います。
昔から教員の長時間労働は存在していましたが、以前は教員が自分の裁量で授業や業務を管理でき、給与面でも比較的満足できる環境でした。そのため、長時間労働があっても受け入れられていた部分があったのではないでしょうか。しかし、現在は教員の裁量が減り、労働環境が厳しさを増している中で、改善が求められています。
教員の仕事は授業だけではありません。進路指導、生徒指導、教務部といった分掌や、さまざまな委員会業務もあります。部活動の指導も教員の責任であり、担任を持つ場合には生徒や家庭とのやりとりも含まれ、守秘義務が多く外部に話せない内容も多々あります。修学旅行担当などの学年分掌もあります。
さらに、トラブルのない家庭からは先生の負担は軽く見えがちですが、課題を抱えた家庭では教員との連絡が頻繁です。家庭訪問や保護者が学校を訪れるのも勤務時間外で行われることが多く、これも教員の負担になっています。
教員としてのやりがいは、生徒が課題を乗り越える場面に立ち会えることにありますが、こうした喜びが長時間労働につながっているのも事実です。問題解消のためには、教員の人数を増やし、事務仕事を分担するなどの工夫が必要です。単に事務を減らすだけでは、その分生徒指導に時間が取られてしまいます。
最も効果的なのは、教員の給与と人員を増やし、授業と生徒指導に集中できる環境を整えることです。これにより、教育の質が向上し、将来の社会における労働力の質の向上にもつながるでしょう。教員の働きやすい環境をつくることは、私たちの未来への投資であると考えています。
教育現場で働く皆さんにとって、安心して働ける環境が整うことを願っています。