Chief blog塾長ブログ

2025.04.02

英語長文読解について

英語長文読解について新規入会の高校生から、「長文読解と全文訳とはどう違うのですか?」という質問を受けました。確かに私の授業は全文訳とはちょっと違うので、具体例を出して紹介します。

  • In many Japanese schools, students look forward to two special events every year: the sports festival and the cultural festival. These festivals are important because they give students a chance to show their talents and work together. However, some schools have noticed that fewer people come to these events than before. In order to make these festivals more exciting, students and teachers are thinking of new ideas to attract visitors.

この文章が題材ならば、何をテーマとするかを講師は考えます。たとえば高校1年生上級を意識して文法を中心に据えるなら、つぎのような視点です。

  1. 現在完了have noticed 過去からの変化の認識(完了用法)
  2. to不定詞 to show their talents 名詞(chance)を修飾=形容詞的
  3. 接続詞 because / however / in order to 文の論理構造を作るカギ
  4. 比較表現 fewer than before 比較対象の補完・可算/不可算の区別
  5. in order to構文 in order to make~ 明確な目的表現、英作文にも有効

ただこれだけだと、長文読解なのか「複数の1文解釈」なのか分かりません。そのため、文と文との繋がり(cohesion)や、段落・全体のまとまり(coherence)を意識させることが大切になります。

この文章は4文で成り立っていますが、この「つがり(結束性)」と「まとまり(一貫性)」は次のようになっています。

◎つながり(結束性)
【指示語】(指示語や言い換えは、表面的な単語のつながりを作る重要なヒント)

  • These festivals(2文目)
     → 直前の “the sports festival and the cultural festival” を受けています。
     これにより、文2と文1の間に明確な照応関係が生まれている。
  • these events(3文目)
     → “festivals” の言い換え。繰り返しを避けつつ、話題の一貫性を保っている。

【接続語】(接続表現によって、文の関係性(理由・対比・目的)が読み手に明確に伝わる)

  • because(2文目)
     → 文1の主張「these festivals are important」に対して理由を提示し、因果関係を明示している。
  • However(3文目)
     → 文2までがポジティブな評価(大事である)だったのに対し、逆接の論理関係でネガティブな問題提起に転じている。
  • In order to(4文目)
     → 文3の問題提起(来場者が減った)に対する目的・対応策の提示している。

◎まとまり

1文目で述べられる、「生徒が楽しみにしている学校行事(sports & cultural festivals)」が段落の中心話題(theme)です。それが次のように展開しています。

  • 1文目 話題提示   日本の学校行事(祭り)の紹介
  • 2文目 意義の説明  なぜそれが重要か(協働・才能発揮)
  • 3文目 問題提起   来場者数の減少という現状
  • 4文目 解決策の提示 魅力向上に向けた取り組み

このような視点で長文読解をした後で、生徒は宿題として音読をします。1日5回で30回。しっかりと音読をしたかどうかをcloze testで確認します。

In many Japanese schools, students look ( 1 ) to two special events every year: the sports festival and the cultural festival.
These festivals are important ( 2 ) they give students a chance ( 3 ) show their talents and work together.
( 4 ), some schools have ( 5 ) that fewer people come to these events ( 6 ) before.
( 7 ) ( 8 ) make these festivals more exciting, students and teachers are ( 9 ) of new ( 10 ) to attract visitors.

 

長文読解とは1文1文を訳すだけでは、長文を読むスピードはつきにくいし、文章を最後まで読んでも内容が頭に残りにくいのです。

2025.03.04

「効率的な学習」は幻想

教育の専門家なら、「効率的な学習」など存在しないことを知っています。本当にそんな方法があるのなら、誰も学習に苦労することはありません。もし「効率的な学習法」が確立されているならば、すでに私立学校が導入し、素晴らしい実績を上げているはずですし、教育界に革命が起きているでしょう。しかし、そのような事実はありません。つまり、「効率的な学習」というものは存在しないのです。
学力を向上させるための唯一の方法は、質の高い授業を受け、しっかりと自習することです。内容を深く理解し、繰り返し学習することでしか学力は伸びません。もちろん、中には天才的な人もいるかもしれませんが、私のような普通の人間にとって、それ以外の方法はないのです。
当塾では、教育課程をしっかりと踏まえた授業を提供し、集中して学習できる自習室を用意しています。本気で自分の力を伸ばしたい皆さんをお待ちしています。

2025.03.03

理想論かもしれませんが、こだわりたい

 

代表取締役就任から10年を迎えて

この3月が終わると、弊社の代表取締役に就任して10年になります。弊社の取締役の任期は10年間。そのため、次の任期は私にとって最後の任期となる予定です。

Sアカデミーを創設したのは、就任2年目の夏のことでした。当時は「良い授業をすれば生徒は集まる」と信じていました。しかし、すぐにそれだけでは不十分だと気づかされました。どれほど質の高い授業を提供しても、それを知ってもらわなければ生徒は集まりません。しっかりとPRし、存在を知ってもらうことの大切さを実感しました。

「味にこだわるラーメン屋は長く続かない」「一番売れているハンバーガーが必ずしも一番美味しいわけではない」。この考え方は塾にも通じるものがあります。こだわりが強すぎると、継続することが難しくなるのです。

だからこそ、自分のこだわりをある程度手放しました。ただ、それでも「教育」に対するこだわりだけは捨てることができません。常に「教育とは何か」を考え続けてしまいます。

「決めること」の大切さ

人生は、自分で決断するからこそ、その責任を引き受けることができます。だからこそ、受験勉強や志望校の選択も、生徒自身が決めるべきだと私は考えています。

たとえば、高校生が授業を取捨選択する場面、たとえば志望校を決める場面。私は「決定のための材料を提案し、最終的な判断は生徒自身に委ねる」という姿勢を大切にしています。尋ねられればアドバイスはしますが、決断はあくまで本人が下すもの。これが、Sアカデミーの指導方針です。

志望校に合格したから幸せになるわけではないし、不合格だったから不幸になるわけでもありません。人生は長く、何が起こるかわからない。晴れの日もあれば、雨の日もある。大人になれば誰しも気づくことですが、「勝ち続けることは不可能」であり、「負け続けることもない」のです。お金で不幸を回避することはできても、幸せを買うことはできません。

人生は長いようで、振り返ればあっという間。しかし、何も考えずに過ごす時間は驚くほど長く感じます。成功よりも、失敗から学ぶことの方が多い。だからこそ、私はSアカデミーを「学力を伸ばす場」であると同時に、「失敗しても『ナイスチャレンジ!』と応援される場」でありたいと願っています。成功すれば共に喜び、失敗しても成長につながる。そんな環境を提供したいのです。

だからこそ、自習室にもこだわりました。「自分で学び、自分と向き合える場所」。それを用意することが、学習塾としての私たちの責務だと考えています。

理想を現実に

こうした考えは、学習塾業界においては理想論かもしれません。それでも、私はこの理想を貫きたいのです。

当塾では、卒塾生が学生スタッフとして3年間ほど活躍してくれています。彼らは塾で働くだけでなく、自分が挑戦したいことにも取り組める環境を提供しています。生徒として成長し、学生スタッフとしても成長し、そして社会へ羽ばたいていく。これこそが、私が思い描くSアカデミーの理想形であり、今のところ、その形を実現できていると感じています。

現在、新年度の生徒を募集しています。学力だけでなく、人としても成長できる環境で、一緒に学びませんか?

Sアカデミーでは、学ぶことだけでなく、社会とのつながりを大切にしています。その一環として、当塾の学生スタッフが、3月16日(日)に投開票を迎える千葉市長選挙において、神谷しゅんいち候補(現職)の出陣式でメッセージを発表し、「頑張ろうコール」を行いました。

その様子を動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。

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