Chief blog塾長ブログ

2023.09.12

私立高校の人気が続きそうです(2024年度千葉県入試)

私立高校人気の傾向は2024年度入試も続くようです。

併願推薦を廃止したり、併願推薦の基準を高くしたりする学校が6校あります(もっと増えている可能性あり)。その一方で、2023年度入試では千葉県の公立高校は40%以上が二次募集を行いました。つまり、通常の入試では全員が合格したわけです。(倍率1倍以下で不合格は、基本的に欠席とか喫煙などしかありません)。この私学ブームはさらに続いていくようです。

学習塾を開業し、高校に営業に行きました。中学生がいる学習塾ではなく、高校生の案内として伺うと、進路指導部長とお話ができることが多く、中学生に進学を勧められる高校も見えてきます。

数年前から高校訪問を始めましたが、公立高校と私立高校との大きな違いは危機感でした。「どうして貴校ほどの高校が危機感を持っているのですか??」と思うような、生徒募集で苦労していない学校でさえ危機感を持っています。「10年後、残っているか不安ですよ」と話す高校もありましたが、危機感を持っている高校は取り組みがポジティブに進んでいるようです。そして危機感が学校単位であり、属人的なものではなく、学校内の雰囲気がよかったですね。

一方、公立高校には危機感が私立高校に比べると低い印象があります。もちろん、ひとり一人の先生方は優秀であることは分かっていますし、経験値が賞味期限切れとはいえ、私も20年間も公立高校で働いていたので、公立高校には能力の高い先生方が多いこともよく分かっています。そして、先生方は極めて多忙なほどの働きをしています。(私が勤めていたときよりも多忙は極めていると聞いています)だから怠けているわけではありません。

私立高校と公立高校とでは方向性が違うように私は感じます。

公立高校は「横」を意識しすぎていないでしょうか。「他校はどうなっているか」「他校にはない特色を出そう」「国公立大学合格100名を目標にしよう」など、「横」を意識しています。また校長先生の中には、「自分の任期中に実績を残そう」という意識の人もおり(本人は否定するだろうけど)、それは現場に悪影響を及ぼします。(「立派だな」と思える校長先生の高校はしっかりと志願者が増えます。) 公立高校の校長の役割は「支店長」であり、「社長」ではないということを、校長や任命者は自覚すべきだと私は思う。経営責任も持っておらず、2~3年で交代するトップが独自性を出せるはずなどないのです。

一方、私立高校で現場の状況を伺うと目の前の生徒のことを見ています。「今年はこういう希望の生徒が多いので、○○という取り組みをしているんですよね」という話を聞きます。「近隣の高校との違いを出すために○○をする」という話を聞いたことはありません。また、伸びている学校は進学補習を予備校に丸投げせず、自分たちで行っていますし、教科内での授業研究も行っている高校もあります。私立高校は校長をトップとした民間企業だから、トップが方向性を出して、それに先生方が賛同して動けば、すばらしい取り組みができます。進学実績は日常の教育活動の延長線上にあり、合格者数そのものが目的だと聞いたことはありません。

もちろん、すべての私立高校がすばらしいとは思っていません。理事長や校長が教育哲学を持ち、それを現場の先生方が納得している私立学校が強いのでしょうね。それが私立高校の個性であり、その個性が開いているケースが増えてきているのでしょう。