Chief blog塾長ブログ

2024.01.30

衝撃的な少子化

予想されていたとはいえ、衝撃的なニュースがありました。

  • 厚生労働省がまとめた人口動態統計速報によると、2023年1-11月までの出生数は前年同期比5.3%減の69万6,886人だった。仮に12月が前年同水準だったとしても70万人台半ばとなり、23年通年での出生数は過去最少となる可能性が高い。https://x.gd/0QLtW

保護者世代(よりちょっと上?)の1974は209万人、2000年には約120万人、2016年に100万人を切ったら、2023年には75万人。改めて数字を見ていくと少子化の流れが加速しています。「人口ボーナス」の真逆のことがいま日本に起きていて、民間の新規事業も高齢者重視の事業ばかりになっていくことも当然です。厚労省が出している人口ピラミッド2022が次です。

この表を見ると、若者が少なく、中年以降が多いかがよく分かります。民間企業は利益を上げなければならないのですから、人口の多い中高年により一層ターゲットにするでしょうね。受験自体も沈静化するでしょうから、大学・高校も減少し、学習塾・予備校もさらに減少していくに違いありません。

評論かぶるならこれでいいのですが、ちょっと心配になりませんか。子どもたちはしっかりとした社会の構成員になれるのか不安でなりません。

受験というのは、子どもたちにとって成長の時でもあります。知らないことを学び世界が拡がるだけでなく、自習をすることで自分自身を見つめ、気持ちが折れそうなときに友だちとお互いに励まし合い、最後まで勉強をしていくという経験は若者にとって貴重です。そして、どんなに頑張っても思い通りにならないことがあることを知り、また希望が通っても必ずしもそれが幸せになるとは限らないという「塞翁が馬」を体験できます。人生は思い通りにならないことの方がよっぽど多いですからね。

子どもは大切です。しかし、子どもには適切な壁が必要なのに、教育界・教育業界が「お子さま」として大事にしすぎるとその成長を妨げます。

少子化が進むから子どもをお客様扱いすることを加速させるのか、それとも社会の構成員として鍛えていくのか。子どもが大人になるときには「師」が必要です。『先生はえらい』(内田樹著・ちくま新書)にあるように、子どもたちは自分で勝手に師を選び、勝手に学んでいきます。「誰もが尊敬できる先生なんて存在しません」「師弟関係も恋愛と同じように、本質的には誤解に基づくものです」は本当にその通り。

師の条件は、「相手の人権を大切にする」ことでしょうか。生徒の成長を願う学校が増え、売上よりも人権を大事にする塾・予備校が増えれば、子どもたちは成長し、自分たちの人生を生きて、社会の構成員になってくれるのではないかなと期待しています。

そもそも論だけど、少子化対策として、若者の給与を上げて、子育てにお金がかからないようにすることなのでしょうけどね。