「学び」は、「自分を鍛える学び」と「技能を身につける学び」に分けられるのではないでしょうか。
「自分を鍛える学び」は、即効性もなく、資格が取れるものでもありません。「シェイクスピアを読んだからといって、TOEICで900点を超えるわけではない」というように、文学作品を読むことで自分と向き合い、自分を鍛えることができます。
一方、「技能を身につける学び」は資格取得に結びつきます。たとえば、運行管理者の試験は「技能を身につける学び」です。積み荷の高さが地上3.8メートル以下であることや、点呼時に運転免許証の有効期限を確認し、アルコールチェックを行うといった学びが含まれます。
前者には非効率が当然とされ、後者には効率が求められます。効率的に芥川作品を読んでもその良さは分からないでしょうし、宅建試験を通して自分を鍛える人は稀です。
受験は、この二つの学びの狭間にあります。学校での学びは「自分を鍛える学び」でありつつ、「高校・大学に合格する」という目的も含んでいます。どちらに軸足を置くかは重要ですが、「自分を鍛える学び」を担当する教育者が教育哲学や教育論を持っていないと、偶然に頼らざるを得ないでしょう。「合格」を前面に出すと効率が求められ、効率的な受験勉強が重視されますが、その実、タイムマネジメントや勇気づけが大きな役割を果たすのではないでしょうか。そもそも効率を考えるより、勉強時間を増やす方が効率的だと思うのです。
私は「自分が成長していくための学び」を大切にしており、当塾の生徒やチューターにも、受験勉強を通じて自分を成長させてほしいと願っています。
そのため、自習室を充実させているのです。